本業に支障をきたさないよう禁止されてきた副業ですが、近年では解禁の流れが広まりつつあります。これを機にブログで収入を目指してみるのはいかがでしょうか。副業で注意すべきポイントを解説しているので、参考にして取り組んでみましょう。
会社が副業を禁止するワケ
これまで多くの企業が副業を禁止してきましたが、それはなぜでしょうか?副業が禁止されてきた理由と、副業を推奨する企業が増えてきている傾向について、解説します。
副業禁止の理由
多くの企業で副業が禁止されてきたのは『本業に支障をきたす恐れがあるから』です。
例えば、本業の勤務時間後に毎日深夜まで働いていると、合計の勤務時間が『労働基準法』を大きく上回ってしまいます。
十分な休息や睡眠が取れず、本業の勤務中に集中力が途切れてしまうこともあるでしょう。
また、競合他社で副業することで『情報漏洩につながる恐れ』もあります。漏らすつもりはなくても、会話の中から情報が探られてしまう可能性があるからです。
許容される副業もある
就業規則で副業を禁止している企業でも、種類によっては副業が認められることがあります。まずは『就業規則』を確認してみましょう。
よくあるケースは「他社など第三者に雇用されない副業ならしてもよい」というものです。就業規則でこのように規定されているなら、『ブログ収入で副業してもよい』ことになります。
また、株やFX・不動産といった投資で収入を得るのは、黙認されているケースが多いようです。
ほかにも、情報漏洩の心配がなく労働日数も限られている資格試験の監督・イベントなど、単発の講師業は許可されるケースが多くなっています。
公務員を除いて法的な制限はないので「会社の担当者に相談したら意外に許可が下りた」というケースもあるようです。
副業を推奨する企業も増えてきている
副業を禁止する企業がある一方で、積極的に推奨する企業が増えつつあります。大手企業が大々的に社員の副業を認める制度を発表したり、副業可を会社の魅力として打ち出したりしているのです。
こうした流れは、2018年の『モデル就業規則』の方向転換によって、より強化されています。
厚生労働省の定めるモデル就業規則では、原則として副業が禁止されていました。そのため、これにならうために禁止していた企業も多かったのです。
しかし、改定によってモデル就業規則が副業を認めたため、禁止の方針を変える企業が増え、今後ますます増加していくと予想されています。
ブログで副業する場合の注意ポイント
ブログは自宅でマイペースに作業できるので、無理のない副業としてぴったりです。副業を始めるときのポイントをおさえ、本業に支障をきたさないように取り組みましょう。
まずは就業規則を確認
本業とは別の収入源としてブログに取り組むなら、まずは会社の就業規則をチェックしましょう。就業規則で副業を禁止していないなら、安心してブログ運営ができます。
また、条件つきで許可されているなら『ブログ運営が条件に合っているか』を確かめましょう。就業規則を確認せずに副業していると、場合によっては解雇にいたるケースもあります。
本業に支障をきたさない
ブログ運営を始めたら、本業に支障をきたさないように取り組むことも大切です。帰宅後や休日に作業に没頭していると、十分な休息が取れなくなってしまいます。
「ブログで早く収入を得たい・もっとたくさん稼げるようになりたい」と、ブログ運営に集中しすぎれば、本業に支障をきたしてしまうでしょう。
こうした副業の取り組み方は長続きしないうえに、本業の職場でも評価が下がる原因になります。本業と副業のバランスをうまく取りながら副業に取り組みましょう。
あえて定休日を作り、しっかり休む時間を作るのもおすすめです。
税金は確実に納めよう
『住民税の金額から、副業していることが会社にばれる可能性がある』ことを知ると、「確定申告しなければよいのでは?」と考える人もいるでしょう。
しかし、それでは脱税です。犯罪になり『延滞税』や『加算税』といった追徴課税を求められます。
収入を得ているなら、たとえ副業だったとしても、そのぶんの税金を支払う義務があるのです。副業のブログ運営で年間所得が20万円を超えたら、必ず確定申告で税金を納めましょう。
副業禁止でもブログで収入を得たいなら
副業としてブログに取り組みたいけれど会社が副業禁止の場合、二つの方法が考えられます。『思い切って相談する』か『確定申告不要な範囲で副業に取り組む』かです。
上司や人事に直接相談するのも手
副業できるかどうかは、基本的には就業規則によって決まります。しかし、全ての企業が根拠を持って副業禁止の規則を作っているわけではありません。
なかには「かつての厚生労働省のモデル就業規則に従っただけ」という企業もあるのです。そのような場合、副業でブログ運営をしたい旨を相談すると、意外に許可がもらえるケースもあります。
企業の風土や経営者の考え方によって結果は違ってきますが、副業解禁の流れを受けて了承してくれる企業は、意外に多いかもしれません。
年間所得20万円以下なら確定申告は不要
『確定申告不要な範囲で副業する』というのも一つの方法です。
副業でブログ運営をする場合、年間所得が20万円以上になると確定申告が必要になります。そのため、所得20万円に収まる範囲内で副業するのがよいでしょう。
所得とは、収入から必要経費を引いた金額です。ブログ運営にかかるサーバーやドメイン代・通信費・資料代などは『経費』として差し引くことが可能です。
例えば、1年間の収入が50万円だったとしても経費で35万円かかった場合、所得は15万円となるので、確定申告の必要はありません。
副業をすることで得られるメリット
副業のメリットとして、まず思い浮かぶのは収入アップですが、ほかにもメリットがあります。副業を単なる収入源と考えるのではなく、スキルアップやリスクヘッジの手段と考えて活用しましょう。
収入アップ以外にも
収入アップのために副業を始めた場合でも、続けているとさまざまなメリットを得られます。『スキルアップ』や『人脈作り』ができるのです。
ブログを副業にした場合には、インターネットに関する知識はもちろん『SEO(検索エンジン最適化)』やマーケティングについても学べます。
また、ブログを運営するための作業をすべて1人でこなしつつ、経理や庶務的な仕事も担当するので、自然に全体を意識する経営者目線の思考ができるようにもなるでしょう。
こうした経験は、本業での働き方にも影響します。うまく生かせば、以前より成果を上げる働き方ができるのです。副業の経験を本業に生かすと、本業での評価も高まっていくでしょう。
収入源を分散してリスクヘッジ
収入を得られる方法が本業以外にあれば、万一の際『収入0円になるリスク』を避けられます。副業で増えた分の収入を貯金して備えることも可能です。
近年、大きな企業でも倒産したり大規模なリストラを実施したりするのが珍しくありません。収入が本業一つのみというのは、リスクが大きいとも言えるでしょう。
まとめ
収入を得るためにブログで副業したいと考えている場合、まず重要なことが『会社の就業規則』です。副業禁止になっている場合は、原則副業はできません。
それでも副業がしたい人は、担当者に相談してみるのもよいでしょう。副業を許可されたり、条件つきで了承されたりするケースもあるからです。
キャリアアップやリスクヘッジにもつながる副業に、ぜひ挑戦してみましょう。