働き方が多様化してきている昨今、場所や時間にとらわれず働くノマドワーカーが増えています。ひとくちにノマドワーカーといっても、その職種はさまざまです。おすすめの職種やノマドに適している人について解説します。
ノマドワーカーとは
「ノマドワーカーという言葉は知っているけれど、具体的なことはよくわからない」という人も多いのではないでしょうか。この機会に、ノマドワーカーについての正しい知識を得ておきましょう。
場所や時間にとらわれずに働くスタイル
ノマドとは英語で『遊牧民』という意味があります。ノマドワーカーとは『場所や時間にとらわれずに働くスタイル』を指す言葉です。
従来の働き方では、仕事場も通勤時間も会社側が決めています。しかし、ノマドワーカーは、それらをすべて自分で決められるのが大きな特徴です。
サラリーマンと比べて人間関係の悩みが少なく、自宅で作業ができるので、出勤・退勤に要する時間を節約することが可能です。
また、勤務時間を自由に設定・変更できるので、柔軟にスケジュールを組める点もメリットでしょう。
ノマドワーカーになりたい人はココに注意
サラリーマンであれば会社側が仕事を提供してくれますが、ノマドワーカーは基本的に自分で仕事を探す必要があります。
そのため『自主的に行動できる人』でないと、安定した収入を確保するのが難しくなるでしょう。
また、周囲に監視の目がないので、誘惑にあらがえずに仕事をサボりがちになります。ゲームをしていたり、1日中寝ていたりしていても叱ってくれる上司はいません。
つまり、良くも悪くも『すべてが自己責任』の世界です。自分の性格と向き合って自己管理を徹底できる人が、ノマドワーカーを目指せる人材と言えるでしょう。
どんな職種がノマド向き?
ノマドワーカーにもたくさんの職種があります。これまでの経験を生かして選ぶのもよいでしょう。もちろん、未経験からでも始められるものもあります。
ここではおもなノマドワーカーの職種について見ていきましょう。
クリエイティブ系の仕事
『ウェブライター』や『エンジニア』といったクリエイティブ系の仕事は、パソコン1台さえあれば1人で仕事ができるので、ノマドに向いています。
自宅で作業したり、気分転換にカフェにパソコンを持ち込んで作業したりするのも構いません。
ウェブライターであれば『SEO(検索エンジン最適化)』などのメディア運営に関する知識を学べます。エンジニアなら、プログラミング言語などのスキルを習得につなげられるでしょう。
このように、仕事をこなしていく過程で知識やスキルを学べるので、より多くのクライアントから求められる人材に成長できる可能性があります。
各種コンサルタントの仕事
『コンサルタント』は、自らが保有する知識やノウハウを通じて、クライアントの抱える問題や課題を解決する仕事です。
『戦略系コンサルタント』や『IT系コンサルタント』など、専門とする分野によって呼び方が変わってきます。
クライアントとの打ち合わせは、カフェやコワーキングスペースでも十分可能なうえに、必要な資料の作成も好きな場所でできるので、ノマドに向いていると言えるでしょう。
自らの助言によってクライアントが望む方向へ導く必要があるので、非常に難しい仕事です。
しかし、高収入が見込めて社会的地位も確立されるので、夢のある仕事とも言えるでしょう。近年は『専業コンサルタント』として活躍している人も増えているようです。
カメラマンの仕事
クライアントの依頼に沿って被写体を撮影したり、自分が撮影した写真を作品として販売したりなど、さまざまなカメラマンがいます。
現代は、ネットから案件を受注したり、自ら集客・販売ができたりするので、ノマドに適している職業です。
留意したいのは、スマートフォンに標準装備されているカメラの画質が上がり、画像の加工アプリもたくさん提供されているので、素人でもクオリティの高い写真の撮影が容易になってきたことです。
カメラマンとして収入を得るには、素人やほかのカメラマンとは異なる強みを生かす必要があります。その際『SNS』で自らの作品や活動をアピールして拡散されれば、知名度を高められるでしょう。
作品を見た企業からDM(ダイレクトメッセージ)で案件の依頼がくる場合もあるので、SNSの活用は積極的にしていくのがおすすめです。
実は経営者もノマド向き
経営者と聞くと、オフィスを持ち従業員を雇っているイメージがあるため、ノマドワーカーと結びつかない人も多いのではないでしょうか。
しかし、実際には『オフィスを持たずに従業員間のやり取りや会議はネットで完結している』という企業もあります。
オフィスを構えないことで、仕事場所の賃貸にかかる費用や光熱費などを大幅に削減できるメリットもあるのです。
これまでの常識とは違う働き方なので、難しく考えてしまうかもしれませんが、ビジネスの仕組みとしては、なにも変わっていません。ただ『仕事場を自由に選択できるようになった』だけなのです。
そのため、経営者であってもノマドワーカーとして働くことは十分可能と言えるでしょう。
ノマドワーカーに向いているのはこんな人
ノマドワーカーは、とても魅力的な働き方ですが、どのような人が向いているのでしょうか。自分の性格と照らし合わせて考えてみましょう。
自己管理のできる人
ノマドワーカーに必須なのは『自己管理能力』です。サラリーマンのように固定収入は得られず、仕事も自ら見つける必要があります。
きちんと自分が必要な収入を確保できるように、先を見据えて動いていく能力が求められるのです。
また、自宅にある誘惑に負けず、しっかりと仕事をこなしていくことも大切になります。仕事をするうえでは、当たり前のことですが、周囲に監視の目がないと、つい怠けてしまうものです。
自らを律する強靭な精神力がある人は、ノマドワーカーに向いています。
「サラリーマンよりもラクそう」ではなく「ノマドワーカーになって生産性を高めたいから」という理由でノマドワーカーを選ぶ人は、自らの意志で効率的に活動できるでしょう。
独立心のある人
「誰かに命令されたことを従順にこなすよりも、自分のペースでどんどん行動していきたい」という独立心のある人は、ノマドワーカーに向いています。
サラリーマンとは違い、ノマドワーカーは収入に際限がないので、活動すればするほどたくさん稼げるようになるでしょう。
「IT系の企業に就職していたが独立してフリーエンジニアとして活動するようになってから収入がサラリーマン時代の倍になった」という実例もあります。
ノマドワーカーの収入は安定的ではありませんが、逆に言えば『たくさん稼げる可能性がある』ということです。もちろん、そのためには多くの勉強や率先して行動する力が必要になるでしょう。
ノマドワーカーになる方法
ノマドワーカーは、どうすればなれるのでしょうか。簡単な二つの方法をご紹介します。
フリーランスとして働く
まず『フリーランスとして働くこと』が手っ取り早い方法です。
ノマドワーカーとフリーランスの違いは、前者が『決まった職場を持たずに働く』スタイルそのものを指すのに対して、後者は『主従関係を持たずにクライアントと契約して働く』形を言います。
ノマドワーカーになるには『クラウドソーシング』などを利用して、フリーランスとして契約を結ぶのがよいでしょう。これによって通勤する必要がなく、自分のペースで働けるようになります。
リモートワークOKの会社に入る
求人サイトを見ていると『リモートワークOK』と記載している企業があります。リモートワークとは『遠隔で働くこと』です。働く場所は、自宅でもカフェでも構いません。
そういったフレキシブルな会社であれば、ノマドワーカーとして働くことが可能です。
なかには『週に1度、本社での会議に参加すること』などの条件がある場合も珍しくないので、あらかじめルールなどを確かめておきましょう。
まとめ
急速なテクノロジーの発展によって、これまでの常識が非常識に変わるスピードも早まっています。それは働き方に関しても当てはまるでしょう。
これまでは『一つの職場で定年まで働く』のが一般的でしたが、その常識もこれから古くなっていく可能性があります。
近年では「大手企業なら安心」と断言することが難しくなってきています。今後、働き手に求められるのは『自ら考えて行動しビジネスができるような人材』なのかもしれません。
その点において、ノマドワーカーは、非常に現代らしい働き方と言えるでしょう。興味がある人は、ノマドワーカーとして働くことを視野に入れてみてはいかがでしょうか。